ボーナス手取り
ボーナス手取りのよくある誤解|額面の8割は本当に残る?仕組みを整理
ボーナス手取りについて「額面の8割は残る」「月給と同じ税金」といった誤解を整理します。社会保険料の料率・上限、賞与専用の所得税算出率表、住民税が引かれない理由を公開統計をもとに解説。相場の目安と確認方法もまとめました。
相場の要点: 公開統計では賞与の平均額は調査により幅があり(毎月勤労統計の特別給与は月次約23万円、国税庁の平均賞与は74.9万円、民間調査の年間平均は120.7万円)、手取りはおおむね額面の75〜85%に収まるケースが多いとされます。
「額面の8割は残る」は本当か
ボーナス手取りを考えるとき、最初に押さえたいのは「何が引かれるか」です。賞与から差し引かれるのは健康保険料・厚生年金保険料・雇用保険料、そして所得税です。住民税は前年の所得をもとに毎月の給与から天引きされるため、通常ボーナスからは引かれません。ここが最初の誤解ポイントです。
誤解1:月給と同じ税金の計算方法
所得税は月給で使う月額表ではなく、「賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表」で計算します。前月の給与(社会保険料控除後)と扶養親族等の数で税率が決まり、0%から21段階に分かれます。同じ100万円のボーナスでも、前月給与が高い人ほど高い税率が適用され、手取りは変わります。
誤解2:社会保険料は青天井
社会保険料は標準賞与額(額面から1000円未満を切り捨てた金額)に料率をかけます。協会けんぽ令和8年度の全国平均は9.90%(本人負担4.95%)、厚生年金は18.3%(本人負担9.15%)、雇用保険は0.5%、子ども・子育て支援金は0.23%(本人負担0.115%)です。ただし厚生年金は1回150万円、健康保険は年累計573万円の上限があり、超えた部分にはかかりません。
誤解3:手取り率はいつも同じ
手取りはおおむね額面の75〜85%程度に収まることが多いとされますが、高額になるほど所得税率が上がり、手取り率は下がる傾向があります。「思ったより少ない」と感じやすいのはこのためです。
相場の目安は出典で異なる
厚生労働省の毎月勤労統計調査では、2026年6月分の特別に支払われた給与は1人平均23万2445円でした。2025年夏季賞与の特別集計では支給があった事業所で平均42万6337円、国税庁の民間給与実態統計では平均賞与74.9万円、dodaの調査では年間平均120.7万円と、調査ごとに定義や母集団が異なります。数字を並べて比較するのではなく、出典の違いを意識してください。
自分の手取りを確認する方法
正確な金額は給与明細で確認するのが確実です。転職を検討している場合は、額面だけで判断せず、給与データや給料インデックスで手取りの感覚をつかんでおくと、条件比較がしやすくなります。なお、健康保険料率は都道府県や健康保険組合で異なるため、全国平均での試算は目安として扱ってください。
よくある質問
ボーナスから住民税は引かれますか?
通常は引かれません。住民税は前年の所得をもとに、6月から翌年5月まで毎月の給与から特別徴収される仕組みです。そのため賞与の手取り計算では、社会保険料と所得税(復興特別所得税を含む)を差し引いて考えます。
同じ額面のボーナスでも手取りが違うのはなぜですか?
賞与の所得税は「賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表」を使い、前月の給与(社会保険料控除後)と扶養親族等の数で税率が決まるためです。前月給与が高い人ほど高い税率が適用され、同じ額面でも手取り額に差が出ます。
ボーナスが高額でも社会保険料は青天井ですか?
上限があります。厚生年金保険料は1回の賞与あたり標準賞与額150万円が上限で、それを超えた部分にはかかりません。健康保険料は4月から翌3月までの年累計573万円が上限です。ただし雇用保険料は賞与の額面そのものに0.5%(一般の事業・労働者負担分)がかかります。
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