賞与手取り計算
賞与手取り計算の基本|年代・経験で変わる手取り率を最新統計で解説
賞与手取り計算の基本を、厚労省・国税庁の最新統計と令和8年度の社会保険料率をもとに解説します。額面と手取りの違い、前月給与で変わる所得税率、年代・経験による差、高額賞与の上限までを実務目線で整理しました。
相場の要点: 厚労省の2026年6月分速報では特別給与の1人平均は23万2,445円、国税庁の2025年分調査では平均賞与は74.9万円で、いずれも平均値であり年代・職種別の分布ではない点に注意が必要です。
賞与手取り計算の前に押さえる前提
賞与(ボーナス)の額面と手取りは一致しません。賞与手取り計算では、額面から社会保険料と所得税を差し引きます。住民税は前年の所得に基づいて毎月の給与から特別徴収されるため、通常は賞与からは引かれません。
控除の対象になるのは「標準賞与額」、つまり額面から1,000円未満を切り捨てた金額です。令和8年度の協会けんぽ全国平均料率は健康保険9.90%(本人負担4.95%)、厚生年金18.3%(同9.15%)、雇用保険は一般の事業で0.5%。さらに令和8年4月分から子ども・子育て支援金0.23%(本人0.115%)が加わります。
所得税は月給とは別の「賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表」で決まり、税率は賞与額ではなく前月の給与(社会保険料控除後)と扶養親族の数で変わります。ここが賞与手取り計算を難しくする最大の要因です。
最新統計で見る賞与の水準
厚生労働省「毎月勤労統計調査」2026年6月分速報では、特別に支払われた給与は1人平均23万2,445円(前年同月比3.5%増)でした。2025年の夏季賞与は、支給があった事業所の平均が42万6,337円、全事業所平均が36万681円です。
国税庁の2025年分民間給与実態統計調査では、民間企業の平均給与は487万円、平均賞与は74.9万円でした。ただしこれらはすべて平均値であり、年代別・職種別の分布を示すものではありません。
年代・経験でどう変わるか
若手・経験年数が浅い層は、賞与の算定期間が短く基本給も低いため額面が小さくなりがちです。一方で前月給与が低いと賞与の所得税率も低く、控除の絶対額も小さいため、手取り率は8割台後半になりやすい傾向があります。
中堅・管理職層は額面が大きくなるほど社会保険料の負担が増え、所得税率の段階も上がるため手取り率は下がります。ただし厚生年金は1回の賞与あたり標準賞与額150万円が上限、健康保険は4月から翌3月までの年累計573万円が上限で、超えた部分には保険料がかかりません。高額賞与では上限の影響で手取り率が持ち直すこともあります。
なお、当サイトの参考水準では大学卒(2025年・全規模)の月給は約262,300円、高校卒は約207,300円です。月給の水準は賞与の算定基礎にも影響します。詳しくは給与データをご覧ください。
賞与手取り計算の手順
- 額面から1,000円未満を切り捨てて標準賞与額を出す
- 健康保険・介護保険(40〜64歳)・子ども・子育て支援金・厚生年金・雇用保険を控除する
- 前月給与と扶養親族数から賞与の税率を引き、(額面−社会保険料)×税率で所得税を計算する
一般的な手取りの目安は額面の75〜85%程度とされます。実際の金額は健康保険料率の都道府県差や健康保険組合の独自料率で数百円〜数千円ずれるため、給与明細で確認してください。関連記事は記事一覧にまとめています。
よくある質問
賞与から住民税は引かれますか?
通常は引かれません。住民税は前年の所得をもとに6月から翌年5月まで毎月の給与から特別徴収される仕組みのため、賞与から追加で差し引かれることはありません。賞与から引かれるのは健康保険料・厚生年金保険料・雇用保険料・所得税です。
同じ額面の賞与でも手取りが違うのはなぜですか?
賞与の所得税率が、賞与額ではなく「前月の給与(社会保険料控除後)」と扶養親族の数で決まるためです。前月給与が高い人ほど高い税率が適用されるので、同じ100万円の賞与でも引かれる所得税が変わります。
高額な賞与でも保険料は青天井に増えますか?
増え続けません。厚生年金は1回の賞与あたり標準賞与額150万円が上限、健康保険は4月から翌3月までの年累計573万円が上限です。一方、雇用保険には上限がなく、賞与の額面に0.5%(一般の事業の労働者負担分)がかかります。
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