年収と手取り
年収と手取りの違いとは?公的統計から見る額面の水準と手取りの考え方
年収と手取りは同じではありません。厚労省の毎月勤労統計調査や国税庁の民間給与実態統計調査をもとに、額面賃金の水準と、社会保険料・税金で手取りが変わる仕組みを整理します。転職時に確認したいポイントも解説します。
相場の要点: 公開統計が示すのは額面の賃金で、令和7年分の平均給与は487万円(国税庁)、2026年8月の現金給与総額は月311,364円(厚労省)。手取り額そのものを示す公式統計はなく、条件により変動します。
年収と手取りはなぜ一致しないのか
求人票や内定通知に書かれた「年収」は、税金や社会保険料を差し引く前の額面金額です。一方、実際に口座へ振り込まれる手取り額は、健康保険料・厚生年金保険料・雇用保険料、そして所得税・住民税を差し引いた後の金額になります。つまり年収と手取りは同じものではなく、年収が同じでも家族構成や居住地、加入する健康保険組合によって手取りは変わります。
公的統計が示すのは基本的に額面の賃金であり、手取り額そのものを示す公式統計はありません。したがって「平均年収487万円なら手取りはいくら」と一律に断定することはできません。
公的統計で確認できる「額面」の水準
毎月勤労統計調査(2026年8月分速報)
厚生労働省の毎月勤労統計調査によると、2026年8月の現金給与総額は月平均311,364円(前年同月比3.8%増)、きまって支給する給与は298,358円、所定内給与は277,861円でした。一般労働者は399,849円、パートタイム労働者は115,905円、パートの時間当たり所定内給与は1,472円です。物価変動を除いた実質賃金指数は83.7で1.5%増となっています。
民間給与実態統計調査(令和7年分)
国税庁の民間給与実態統計調査では、1年を通じて勤務した給与所得者の平均給与は487万円(前年比1.9%増)でした。男性597万円、女性342万円、正社員559万円、正社員以外210万円です。給与階級別では男性は400万円超500万円以下、女性は200万円超300万円以下が最も多くなっています。
業種別では電気・ガス・熱供給・水道業が854万4,000円で最も高く、宿泊業・飲食サービス業が275万8,000円で最も低い結果でした。
手取りを左右する要素
額面から手取りを計算するときは、①社会保険料(健康保険・厚生年金・雇用保険など)、②所得税、③住民税の3つを押さえます。社会保険料は標準報酬月額と賞与額に応じて決まり、所得税は課税所得に応じた累進課税、住民税は前年の所得に基づいて翌年度に課されます。
また、令和7年分は定額減税が適用されなかったため、源泉徴収される所得税額は前年比17.4%増、所得税を納めた人の割合は80.9%に上がりました。 手取りの増減を考えるときは、額面の伸びだけでなく税・社会保険料の変化も見る必要があります。
転職時に確認したいこと
求人票の「月給」が額面なのか、固定残業代を含むのかを必ず確認してください。当サイトの給与データでは公開統計を参考値として整理しています。また記事一覧では業種別の傾向も扱っています。額面と手取りの差はおおむね2〜3割程度になることが多いとされますが、これはあくまで目安であり、条件によって変わります。
よくある質問
年収500万円の場合、手取りはいくらになりますか?
一律に示すことはできません。手取りは社会保険料(健康保険・厚生年金・雇用保険など)、所得税、住民税を差し引いた後の金額で、家族構成や居住地、加入する健康保険組合によって変わります。公的統計も額面の賃金を示すもので、手取り額そのものを示す公式統計はありません。正確に知りたい場合は源泉徴収票や勤務先の保険料率で確認してください。
額面と手取りの差はどのくらいですか?
一般に額面の2〜3割程度が差し引かれることが多いとされますが、これはあくまで目安です。社会保険料は標準報酬月額と賞与額に応じて決まり、所得税は累進課税、住民税は前年所得に基づいて翌年度に課されるため、同じ年収でも手取りは変わります。
統計でいう「平均給与487万円」は手取り額ですか?
いいえ、額面です。国税庁の民間給与実態統計調査における487万円は、1年を通じて勤務した給与所得者5,163万人の平均給与で、税金や社会保険料を差し引く前の金額です。年の途中で就職・退職した人は含まれていない点にも注意してください。
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